
本日ご紹介する一冊は、電通のコピーライターで、カンヌ広告賞、
レッドドット賞、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外で
30以上の賞を受けたという梅田悟司さんによる一冊。
私の一番のお気に入りのフレーズは、「世界は誰かの仕事でできている。」(ジョージア)です。
その言葉が好きな為、今回は読みました。
本書『「言葉にできる」は武器になる。』は、その梅田さんの言葉を創る心構えとテクニックを綴ったものですが、いや、すっかり感動してしまいました。
<言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?>という冒頭の語りかけに始まり、<素材がよければ、味付けは必要最小限でいい>といった言葉通りの構成、そしてとどめの日本語テクニック集。
<日本語には多くの表現技法がある>として、日本に伝わる伝統的な言語表現技術を、今の言葉にわかりやすく変換しています。
言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?
『星の王子様』で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは以下のような言葉を用いることで、「人を動かす」と「人が動きたくなる」の違いを述べている。船を造りたいのなら、男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命
令したりする必要はない。代わりに、広大で無限な海の存在を説けばいい。
「自分がこれからどのように生きていきたいか」を例にすると、以下のような真逆を考えることが可能になる。
仕事で成功する⇔成功ではなく、いい仕事をする世の中をあっと言わせたい⇔1人ひとりに寄り添う仕事をする
自分磨きを怠らない⇔仕事で自分を磨く専門性を高めたい⇔何でも屋になる
得意分野の話にたとえることで、自分の言葉が生まれる
特定の単語を繰り返すことで、文章を強くすることも可能
例)絶対は絶対にない。 織田信長
例)世界で一番美しい色は、自分に似合う色よ。 ココ・シャネル
例)未来を考えない者に、未来はない。 ヘンリー・フォード
対句のポイントは、自分の言いたいことの逆を前半に入れることで、後半の本当に伝えたい内容を際立たせることにある。そのネガティブが踏切台になり、大きくジャンプすることになる
断言は人々を導く「旗」になる
文章の前に「あなたに伝えたいことがある」を付ける当事者同士しか分からない「ふたりの言葉」の効力
どうでしょう? 言葉を仕事にしている人なら、この本のすごさが伝わったと思います。