昨年大ブレイクしたナイトプールは、今年も好調をキープしている。しかし、猛暑の影響でプールサイドでの熱中症を気にしてか、全般に天気が良かった割には伸びていないという声も聞かれる。各施設ではプールを上がってからの食事、宿泊、プールサイドのイベントなどとの連携を深め、トータルで集客をはかる方向への転換を模索し始めている。 ナイトプールを営業する東京のホテルや遊園地の7月の状況を聞いたところ、昼の営業も含めてではあるが「昨年より15~6%ほど増えている」(東京サマーランド)、「昨年比で7%アップ」(東京プリンスホテル)、「昨年より若干、多いくらいだ」(京王プラザホテル、ANAコンチネンタル東京)、「昨年が悪すぎただけで、今年は例年並みに戻した感じだ」(としまえん)と、今年初めて特別なナイトプール向けの演出を行った東京サマーランドを除き、意外にも期待したほどの人の集まり具合ではないといったニューアンスだ。 どのホテルも、色を出してきているが、共通項として、異常気象に対応や食事とセットにしたほうが断然、得な価格設定となっている。 この戦略で、会社帰りのOL、カップル、大学生を多数集客し、成功してきた。若い人たちにプールをきっかけに食事も手軽に体験してもらい、ホテルをもっと身近に感じて使ってほしいという願いが込められている。特に京王プラザホテルは充実したレストラン街を有しており、昨今のビジネスホテルによくあるレストランもないホテルとは、一線を画している。 今年ほどの高湿度の猛暑になれば、高層ビルの影にあるプールなので他のホテルのプールよりは涼しく感じるはずが、それほどでもなかった可能性がある。しかし、屋内で涼めるレストランとのセット券であるならば、顧客は一通りインスタ用のスマホ撮影が済んでしまえば、さっさとプールから上がって、冷房の効いたレストランでゆっくりすればいい。 つまり、暑すぎる夏にも対処できるプランニングが京王プラザホテルの強みなのである。