ニュースを読んでいると、マクドナルドの復活の記事をみました。大変興味深い為、私の見解を含め書きたいと思います。
日本マクドナルドホールディングスは、5月度の既存店売上高は前年同月比21.3%増と発表しました。客数は7.0%増、客単価は13.3%増となっています。
2016年の1~5月の既存店売上高の対前年比は全月で二桁の増加を見せています。客数と客単価も全てでプラスとなっています。
同社で発生した消費期限切れ肉使用や異物混入などの問題以前の水準には及ばないものの、業績が回復傾向を示していることには間違いはありません。直近の16年1-3月期(第1四半期)の純損益は1億7,600万円の赤字であるものの、営業損益は1億5,100万円の黒字となりました。16年1-3月期は7四半期ぶりに営業黒字に転換することになりました。
同社における昨今の業績不振の最大の理由は、消費期限切れ肉使用問題と異物混入問題にあります。一方で、その二つの問題以外にも不振の理由があることが指摘されていました。それは、接客サービス品質の低下や店内清掃状況の悪化、店内客のマナーの悪さなどです。笑顔がない、ゴミが散らかっている、騒ぐ客がいても店員は注意しない、などです。ひとくくりに「店舗環境の悪化」が指摘されていました。
店舗環境の悪化に関して同社は、客が意見や感想を寄せることができるスマホアプリ「KODO」を15年4月に導入し、顧客の声を集めて店舗環境の改善に努めることにしました。KODOで2分程度のアンケートに答えると、無料クーポンがもらえる仕組みです。同社は店内にKODOを告知するシールなどの販促物を大々的に投入しました。
詳細は、省きますが、このKODOが、店内の雰囲気を一気に変化させたとのことです。情や苦言を受けるということは、成長のきっかけになるという事実も一方で存在します。また、受けた苦情や苦言を店内で掲示するということは、顧客の苦情や苦言から目をそらさない度量があることを示す行為となります。
とはいえ、一度失ってしまった信頼を回復させるということは容易なことではありません。KODOでの取り組みは1年を経過したにすぎません。こうした「顧客視点」の取り組みが今後も継続できるのかが問われることになるでしょう。まだまだ、同社の取り組みや姿勢を注意深く見ていく必要があるのかもしれません。今後に注目したいところです。